管理しているサイトに ChatGPT からアクセスが来ていた

正直、最初は見間違いかと思いました。管理しているサイトのアナリティクスを開いたら、参照元の 5 番目に「chatgpt.com」が入っていたんです。検索エンジンでも SNS でもない場所からアクセスが来ている。39 セッションという数字は小さいけど、何かが変わり始めている感じがしました。

この記事でわかること

ChatGPT からの流入とは何か

Web をやっていると、数年に一度「流れが変わった」と感じる瞬間があります。スマホが普及してモバイル対応が必須になったとき、Facebook が検索の代わりに使われ始めたとき——今回のアナリティクスの変化も、そういう瞬間の一つかもしれないと思っています。まだ小さな兆候ですが、気になったので調べてまとめました。

chatgpt.com / (not set) とはどういう意味か

アナリティクスを見慣れていない方のために説明しておくと、「chatgpt.com / (not set)」の「(not set)」はメディア情報が取得できなかったことを示します。広告や SNS 流入なら utm パラメータやメディア分類が自動で付くんですが、ChatGPT からのリンクにはそれがない。だから「not set」と記録されます。参照元のドメインが chatgpt.com であることは確定しているので、ChatGPT を使った人が実際にクリックしてきた記録として読んで問題ありません。

Perplexity や Copilot など他の AI ツールでも同じことが起きています。ドメイン名が違うだけで仕組みは同じです。アナリティクスを月に一度チェックするなら、参照元に AI 系のドメインが入っていないか見ておくといいと思います。

AI がサイトを「推薦」する仕組み

ChatGPT がサイトを紹介するルートは主に 2 つあります。一つは学習データにそのサイトの情報が含まれていて、回答の出典として示されるケース。もう一つは ChatGPT の検索機能(Search with Bing)が有効なユーザーに対して、リアルタイムで検索結果を引用してリンクを貼るケースです。後者は Bing のインデックスに依存しているので、Bing SEO の延長線上にある対策が効きやすいです。

どちらのルートでも「信頼できる情報源」だと判断されないと紹介してもらえません。ChatGPT は権威性・専門性・一次情報としての価値を重視して参照先を選ぶ傾向があります。「自分たちにしか書けない体験談」「数字で裏付けられた実績」「業界の内側から書いた知識」——こういった情報が引用されやすいのは、この基準と合っているからです。

実際のデータを公開する

私が管理している住宅関連サイトの、ある期間のアクセスデータをそのまま公開します。理論より数字で見たほうが早いと思っているので。住宅関連という業種での話なので他の業種と傾向が異なる部分もあると思いますが、一つの実例として参考にしてください。

流入ソース内訳——ChatGPT は 5 番目にいた

参照元/メディア別にセッション数を並べると、こうなりました。Google が圧倒的な 1 位なのは想定通りで、問題は 5 番目です。ダイレクト(ブックマークや URL 直打ち)より少ないけど、DuckDuckGo の 4 倍以上ある。「たった 39」と見るか「もう 39」と見るか、私は後者だと思っています。

GA4のアクティブユーザーの参照元
参照元 / メディアセッション数
google / organic846
bing / organic412
yahoo / organic304
(direct) / (none)109
chatgpt.com / (not set)39
service.smt.docomo.ne.jp / referral11
duckduckgo / organic9

もう一つ気になるのが Bing の 412 セッションです。Google の半分近くを占めていて、これも想定より多かった。ChatGPT の検索機能は Bing のインデックスを使っているので、Bing 経由が多いサイトは ChatGPT からも参照されやすい関係にあります。Bing と ChatGPT を合算すると 451 セッションで、Google に次ぐ 2 番目の規模感です。「Bing なんて誰も使わない」と後回しにしていた方は、一度見直す価値があると思います。

39 セッションをどう読むか

数字だけ見ると小さい。それは認めます。でも注目しているのは絶対数より「すでに流入が始まっている」という事実です。スマホ対応も、最初は「スマホからのアクセスなんて 5% 以下だから後でいい」と言われていた時期がありました。あのとき後回しにしたサイトが後でどうなったかは、Web をやっている方ならわかると思います。

AI ツール経由で来た訪問者は、目的意識がはっきりしている傾向があります。「どの住宅会社がいいか」「土地探しで失敗しないポイントは何か」という問いに対して AI が答え、その回答の中で紹介されてアクセスしてきたユーザーです。漠然と検索している人より、検討が進んでいるケースが多い。セッション数の少なさより、その後の行動に注目したほうが実態をつかめます。

AI に紹介されやすいサイトの傾向

どんなコンテンツが AI に参照されやすいのか、流入データを見ながら観察してきたことをまとめます。AI の参照基準は公式には公開されていないので、あくまで経験と観察に基づく話です。SEO の感覚と重なる部分も多いし、明らかに違う部分もあります。

AI が好むコンテンツの共通点

ChatGPT が引用しやすいコンテンツには、いくつかの共通点があります。一次情報・一次体験が含まれていること、数字や固有名詞で裏付けられた記述があること、質問に対して直接的な答えが書かれていること——この 3 つです。「〇〇とは何か」「〇〇の費用はいくらか」という問いに、曖昧にせずストレートに答えているページは参照されやすい傾向があります。

一方で、一般論だけをまとめたページは AI に素通りされます。どのサイトにも書いてある内容を並べているだけでは、AI にとっても価値が低い。「このサイトにしか書いていない情報」を持つことが、AI 流入を獲得するうえで一番大事なことだと思っています。施工事例・失敗談・価格の根拠——こういった情報は競合が出しにくく、AI が好む一次情報そのものです。

SEO との違いと、意外なほど重なる部分

従来の SEO は「キーワードを含んでいるか」「被リンクが多いか」「ページ速度が速いか」といった指標を重視してきました。AI 参照の場合、これらの要素より「情報の信頼性」と「文章の明瞭さ」が優先される印象です。キーワードを詰め込んだページより、読者の疑問に丁寧に答えた自然な文章のほうが参照されやすい——これは自サイトの流入パターンを見ていても感じます。

重なる部分も多くあります。E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の考え方は、AI 参照においても有効です。著者情報・実績の明示・定期的な更新——これらは Google SEO でも AI 参照でも評価につながります。SEO のために書いたコンテンツが AI にも参照されるという流れを意識してコンテンツを設計できると、効率よく両方の流入を取れます。

今日から試せること

AI 流入を増やすために大掛かりな作業は必要ありません。コンテンツの書き方を少し変えるだけで、AI に参照されやすい状態に近づけます。すぐ着手できる 2 つの方向を整理しました。どちらも SEO 的にも有効な取り組みなので、「AI のためだけに特別なことをする」という感覚ではなく、コンテンツの質を底上げする延長として取り組むのがちょうどいいと思います。

「誰が書いたか」を明確にする

まず取り組みやすいのは、著者情報の充実です。著者名・専門領域・経験年数をページ内に書くだけで、AI が情報源の信頼性を判断しやすくなります。「いつ書いたか」「いつ更新したか」という日付情報も大事で、古い情報が放置されたページは AI に参照されにくくなります。プロフィールページを更新してから数ヶ月後に AI 経由の流入が増えた感覚があって、偶然かもしれないけど試してみる価値はあります。

FAQ ページや詳細情報ページも効果的です。「住宅を建てるにはいくらかかるか」「どの工法が断熱性能に優れているか」といった問いに対して AI が答えるとき、明確な数字と根拠が書かれているページを優先的に参照します。「詳しくはお問い合わせください」で終わるページは AI に素通りされます。概算でも構わないので、目安と根拠を書いておくだけで変わります。

「問い → 答え → 根拠」の順番で書く

文章の構造として、問いの直後に答えを先出しする書き方が AI に引用されやすいです。「注文住宅の費用相場は?」というテーマなら、最初に「3,000 万〜4,500 万円が目安です」と書いてから根拠を説明する流れです。答えが最後にくる文章は AI が要点を抽出しにくく、参照率が下がる傾向があります。

見出しを疑問文にすることも効果的です。「費用について」ではなく「注文住宅の費用はいくらかかるか」と書くと、ChatGPT ユーザーが実際に入力する質問文と直接マッチします。ユーザーの言葉と見出しが重なっているページは、AI がそのページを参照候補として選ぶ確率が上がります。既存ページの見出しを見直すだけで済むので、今日中に着手できます。

よくある質問

ChatGPT 以外の AI ツールからも流入はありますか?

あります。Perplexity AI・Microsoft Copilot・Google の AI Overview などでも同様の流入が発生します。アナリティクスでは perplexity.ai や bing.com(Copilot 経由)として記録されるケースが多いです。今後こうした参照元が増えていくのは間違いないと思っています。

ChatGPT に紹介してもらうために有料登録が必要ですか?

必要ありません。ChatGPT のリンク機能はサイト側が何かに申し込むものではなく、コンテンツの質と信頼性で自然に決まります。費用は一切かかりません。

AI 流入がコンバージョンにつながった実感はありますか?

母数がまだ少ないので断言はできませんが、AI 経由の訪問者は目的が明確なことが多い印象です。ページの滞在時間が検索流入より長いケースも見受けられます。もう少しデータが溜まったら改めて報告したいと思います。

AI 対策と SEO 対策、どちらを先にやるべきですか?

SEO を軸にしながら AI を意識した書き方を取り入れるのが現実的な順番だと思います。AI 流入はまだ絶対数が小さく、SEO の恩恵のほうが短期的には大きいためです。両者は対策の方向性がほぼ同じなので、「SEO もやりながら AI も意識する」くらいのスタンスで十分です。

まとめ

この記事でわかること

ChatGPT からの 39 セッションが、来年どういう数字になっているか——それを確かめるためにも、今からコンテンツの書き方を少しずつ変えていこうと思っています。同じようにアナリティクスで気になるものを見つけた方は、ぜひ一度ご相談ください。

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